低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

浴槽の中の注入

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築後1年目の検査で指摘された箇所の注入工事です

老人ホームの浴槽ですが、湯水を抜いて湯水が無くなってしまっても数箇所のタイル面から長い時間に掛

けて湯水が流れ出してくるという症状です。

お湯を入れたときにタイルと防水している隙間に湯水が溜まってしまうと言う事が原因です

タイルと下地のモルタルが確実に接着していないのか、もしくはモルタルと塗布防水面が接着していない

事が発生の原因です。

内部のモルタルの石灰成分がタイルの目地から流れ出して白く結晶化しています。


このまま放置しているといずれはタイルが剥れてしまうと予想ができます。

タイルと目地の隙間と内部の隙間にエポキシ樹脂を完全に充填してしまえば湯水は浸入ができない訳です

からたっぷりと注入を行います。


問題は隙間の内部は濡れていますから通常のエポキシ樹脂では接着不良になります。

そこで低粘度型の水中硬化型のエポキシ樹脂を使用します。


これで完璧・・・なのです。


浴槽の場合には絶対にしてはいけない事があります。


エポキシ樹脂が未硬化の時にお湯を入れてお風呂を使用すると、表面に油が浮くように虹色の色が表面に

浮いてきます。

その色で油が浮いていると大騒ぎになります

エポキシ樹脂はそんなに毒性は強くはありませんが無害でもありません

硬化前の成分の中には喘息の原因になるような物質も含んでいます。



数年前の警察署の外壁の改修工事のときの出来事

足場の下に池がありその中に警察署長の自慢の鯉が数匹泳いでいたのですが・・・。

注入した翌日に2尾の鯉が腹を上に浮いていたのです。

署長さんが悲しそうにタモですくい上げていました。

気になって調べたら足場にエポキシ樹脂が数滴垂れ落ちていました

たぶん・・池の中にエポキシ樹脂が垂れ落ちたせいだとびっくり・・。

『監督、自分達のせいだと思います、署長に謝りましょうか』

『いや、待って、さっき署長さんは鯉はゴミに弱いからなぁ・と言って元気がなかったから,今更マズイ 
 ヨ』

『朝礼の時に4階の鉄格子の部屋は留置所だから覗くなと言っていましたよね・犯人は私だと言うと鉄格

 子の部屋に入れられるのかな』

『こんな時に冗談は言うなよ』

『・・・・・』


工事をしたら少なくとも2日間は養生の期間をおくように説明することが絶対に必要なのです


硬化してしまうとまったくの無害な物質となりますのでその説明も必要です

今は殆ど使われていませんが昔は貯水槽の表面にエポキシ樹脂を塗ってライニングをしていましたから硬

化してしまえば大丈夫なのです。


一般的に樹脂というものは硬化していない液体の時は毒性がありますが、一旦硬化するとまったく無害に

なると言う製品が多いですね。

赤ちゃんに使うミルクの乳首はシリコーン樹脂ですが硬化前の樹脂を口にしたらそれは大変な毒性となり

ます。