低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

低圧注入工法のシール材について

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今日は仮止めシール材の使い方などについて報告します

写真は市販されている各社のシールですが、残念ながら自信をもつて勧められる製品は一つもありません


写真上の左側の製品はウレタンを主成分にしていますが特に夏場には剥離しなくなります


その隣の製品は変性シリコーンを主成分としていますがこの商品も下地に関係なく突然に剥離しなくなり

ます。

その隣は同じメーカーなのですがウレタン系の2成分型のシール材です

剥離性については一番安定はしていると思います。


一番右は合成ゴム系ですが器具との接着が良くはありません

市場では殆ど見ないメーカーのものなので剥離しない場合がどの程度あるのかは不明です

合成ゴム系については硬化が遅いと言う癖があるようで冬場は気をつけたほうが良いと思います


低圧注入を専門にやっていると各メーカーのものが殆ど不完全なので、ついつい鈍感になりますが、剥離

性シール材と謳っておきながら実際には時折、剥離しないのは他の製品ならば詐欺ではないかとも思いま

す・・。


でも、問題とはならないのですよね・・・・・。


殆どの職人さんは年に数回しか施工をしないものだから例え剥離しなくとも

『あれっ、前回は剥離したのに』

なんだろう、どうしてだろう・・・・他のメーカーのものを使って比較もしたことはないし・・深く考え

ないままにすんでしまうのです。


メーカーまで苦情が挙がらないしましてや弁償しろまでは殆どなりませんから、メーカーもその場限りの

言い訳で終わってしまいます。


だから十年一日のごとし同じことの繰り返しなのです。


土木で施工している職人さんにはこの剥離性のシール材があることすら知らない方もあるようですから


剥離シール材が剥れない場合は僅か1mを撤去するのに30分以上はかかり、更に吹き付けした下地は傷が付

きとんでもない事になるのです。


剥れないから溶剤(トロール等)で溶かしながら撤去するしかないのです。


苦労している私の場合は絶対に汚せない現場の場合は剥離試験を行うようにしています。

特にフッソ系の仕上げ材の場合は要注意です。


建物で、どうしても汚せない、どうしても傷が付けられない場合は最後の手段で事前に石鹸水をひび割れ

の周りに塗布しておくこともしています。


私が造った剥離剤は完璧ですよ。


下の写真は2成分型の剥離性シール材を撤去した跡ですが、この場合はシール材の油脂分がコンクリート

に移行しています。

1成分(カートリッジ)型も同様にその跡は残りますが特に2成分型はこの傾向が顕著に現れます


こんな場合に石鹸水を事前に塗布しておくと目立たなくなりますよ

もう少し詳しく言えば薄めた石鹸水に更に澱粉を入れるともっと目立たなくなりますよ


施工する前に吹きつけのパターンはなくなるし汚れますよ・・なんてお客様に言って置けば剥れなくても

下地から削ってしまえば簡単で問題はないのだけれど。



それではプロとはいえないしね・・・・。