低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

こんなんでいいの

イメージ 1

写真は連休中に新聞に載っていた首都高の1号線の橋脚の様子です

コンクリートにひび割れが発生してそしてコンクリートが中性化して更に爆裂してそしてコンクリート

剥がれ落ちてしまっています。


ここまで放置していても直ちに重大事故にはならないのものだと感心しています


低圧注入工法補修の専門からみると、土木関係はかなりラフな仕上がりでも検査には通るのだなぁと感心

しています。

ひび割れた箇所に塗装なのか樹脂モルタルか不明ですが縦方向に塗っていますが、いったい、何のために

塗布したのでしょうか。

通常のひび割れ処理なら、剥離性の仮止めシール材を使えば注入した後でも表面は施工前と殆ど変わらな

い程度で仕上がりますからそのままでも何の問題もない筈なのですが・・・。


むしろその方がこんなに目立たなくて意匠的にも良いと思うのですが


わざわざ目立つような塗装をしたのは、ひび割れは{Uカット工法}で表面だけの補修だったのでしょうか

施工業者が低圧注入について知らなかったので表面だけの処理をしたのかも知れません


一般の方は公的な構造物だから補修についても最高の技術で施工していると思いがちですが、残念ながら

必ずしもそうでは有りません。


例えば首都高の場合で言えば、最近開通した地下の高速道路の山手トンネルでもひび割れが発生していま

すが、その処理は我々では殆ど施工しない方法で行っています。

Uカット工法で処理をしているのですが、この方法はひび割れを幅広く削りそこに溝を造ってシール材を

埋める方法なのです。

本来、この方法はひび割れた箇所が常に動くような場合に使用します。

ひび割れが大きくなったり小さくなったりと動く箇所にエポキシ樹脂のように硬くて強固な接着剤で固定

をしてしまうと更に大きくコンクリートが割れてしまいます。

そのような現象を防ぐために溝を造って弾性のシーリング材を埋め戻すというような方法です。

したがってこの方法はひび割れた箇所を固定して元通りの強度にすると言う方法ではありません

この工法の目的はひび割れからの漏水を防ぐ程度のものです


山手トンネルの場合はUカット工法なのですがトンネルの中に雨が降るわけは無いし、どうしてこの工法

で処理をしたのかは不明です。

この溝を埋めたシーリング材は静電気を帯びるシリコーンで施工したのでしょうか表面は真っ黒に汚れて

います。


最新の技術ならこのような場合はUカツト後にシリコーンなどを表面には使用しません。


何故コンクリートを元通りの強度にする低圧注入工法を採用しないのでしょうか。




いずれにしても首都高は建て替えの時期がきたようです・・・。


ひび割れた箇所を表面だけ処理をしても確かに劣化は遅れますが確実な処理だとは思いません。


ひび割れた箇所をそのままにして炭素繊維等で包んでも場所によってはひび割れの箇所が浮き上がってき

ます。

完全ではないのです。

ひび割れはその隙間を埋めない限り空気、湿気はどこかの僅かな隙間から必ず進入してきます

進入してきた湿気、空気は暖かい表面に押し上げてきます。

経験からすればその押し上げる力は強力なエポキシ系床材さえも剥がしてしまいます

だから、塗料等をひび割れの上に塗ってもすぐに剥がれてくるのです


押し上げる力は瞬間的な力よりも、小さくてもゆっくりと押し上げる力の方がより強いのではと思います


アスファルトを押し上げて芽を出し大きく育つ植物の力を見てください・・すごいですよね。