低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

低圧注入器具フロッグの性能試験

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今週は週末に飛び込みの仕事が予定ですが、工事については比較的にのんびりしています

そこで暇な時にと、2年毎に行うフロッグの性能試験の確認を行っています


写真の二番目はフロッグのタンク部分に穴を開けてその箇所にエアーゲージを取り付けています

予めフロッグの出口(吐出口)を塞いでおきます。


そしてフロッグに樹脂を入れるとケージの針はどんどん上がっていきます


このシステムは注入する樹脂によって器具の中の空気の容積を小さくするという原理を応用しています

空気の容積が小さくなると言う事は圧搾空気が発生するということです。


樹脂を多く入れるとたちまち20㎏以上も数値はあがります。

フロッグは注入する為の樹脂を入れると器具の内部の空気は自動的に圧搾空気となります。

樹脂の注入を止めると、今度はその圧搾空気の戻る力で入ってきた樹脂をひび割れの中に押し入れていき

ます。

天井面についても同じシステムで注入します。
 

フロッグは汎用品(天井、壁用)と床壁用の2種類があります

売り上げは床壁用が圧倒的に多くその割合は8:2ぐらいにもなります

つまり天井面への注入工事は壁面に比べると非常に少ないという事なのだと思います


橋とかトンネルの場合は天井面のひび割れがあるのですが、そのほかの構造物の場合は壁面、床面が圧倒

的に多いのだと思います。


フロッグの天井用は今月鋳型を修正しています

注入した時にフロッグのなかに残る樹脂の量が多いとの指摘があり、私も注入していてこの残りの樹脂が

気になっていたために修正をする事にしたのです。


フロッグの場合は今流行の『ひとりメーカー』のようなものなので気になることは今日にでも変更しよう

と言うようなことが簡単にできるのです。


簡単にとは言い過ぎですが、予算に余裕ができたら、と言う事です


本来、大手のメーカーでもこのようにユーザーの意向を直ちに取り上げるというような体制が取れると

理想的な商品造りができるのにと思います。


それが、直ちに売り上げに影響すると誰もがこのような事は直ちにやるのでしょうが、売り上げとか儲け

るとか言う事になると必ずしもそうでは無いという事が難しいところですね。


フロッグは最後発の製品ですから、製品造りにはどこの製品よりも優れるようにと、他社の良いところを

取り入れて余計なところは省いて、そして高機能にして、更にはコストも何処よりも安くしてと言う事で

製品造りをしましたが、なかなか、さほど普及はしないのですね・・・・。


安くて高機能のものがどうして普及しない・・。


この業界には低圧注入という仕事を生業とする専門屋さんが殆どいないという事が、一番の原因だと思い

ます。

仕事そのものを殆ど知らないのです。


例えば、色々な低圧注入器具を取寄せて実験したり、研究したりして、各社の器具についての利点、欠点

等の勉強などはしないのです・・・。


他の職種ではこんな事はまずありえないと思います。


大工さんなら何処のメーカーの鉋は高いけど優れた切れ味とか、シーリング屋さんならハマタイトは高価

だけど使いやすいしばらつきは無い、ベターシールはべたべたしていてもう一つだとか・・(失礼)


生業としていれば色々なメーカーの製品の知識は基本中の基本なのですが、注入の施工をしている職人さ

んは殆ど素人の方ですからそんな基本すら解っていないのです。


解らなくてとうして仕事はできるのでしょう。


ひび割れの中に接着剤を注入してコンクリートを固定してしまうという目的が仕事なのですが、その結果

が直ちには解らないと言う事と、施工の検査方法がないと言う事が結果的には素人でも見よう見まねでな

んとかなる・・と言う事になってしまっているのです。


いい例ですが、施工店のホームページ等で低圧注入の施工の写真を見かけますが、驚きますが器具の周り

から樹脂が沢山漏れているような写真を平気で載せています。


専門から見ればこのような現象はシールの施工不良で注入した樹脂は殆ど漏れ出していてひび割れの中に

は樹脂は入っていないと判断しています。


樹脂は圧力で押されてひび割れの中に入るわけですが、抵抗の無い隙間から漏れ出してしまうと全て樹脂

は漏れ出してしまうのは当然の事です。


そのような簡単なことすら理解していない施工が例えば公的な橋梁とか高速道路などても日常的に行われ

ているのです。


にわかには信じがたい事ですよね。


業界で低圧注入工法が胡散臭いといわれるのはこのような理解に苦しむことが平気で行われているから

なのでしょう。



なんとかしなければ・・・・私が老衰するまでに・・・なに、もう老衰して死にそうだってかぁ・・


死にそうなおじいちゃんが女子高生を見ると元気になるのはどうしてだ・・・あん・・・。