低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

木質の柱、梁のひび割れの場合

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構造すべてが集成材とか無垢の木材で出来上がっている大型の木質建物の場合には、長年に亘っての動き

によって柱、梁にひび割れを発生させる場合があります。


木造の在来工法の小さな建物であれば柱とか梁が建物の構造によってひび割れると言う事は殆どありませ

んが、大型の公民館とか体育館等ではひび割れる場合があります。


今回相談を受けたのは大型の木造構造物の柱、梁のひび割れ補修です


木造の場合は数年前に音楽公会堂の木質の床が歩くたびにギシギシと音がするという事で、その音がする

部分に穿孔して低圧注入した事がありますが、注入した途端に音が消えてしまったという経験があります


クラッシックを演奏している時に指揮者が動くたびに、床からも音がするという事でなんとか床を張り替

えないで修理したいという希望に答えることができたという事がありました。

床面は板を重ねていたという構造のためにその隙間が押される事によって音が出ていたという原因でした

から、その隙間に低粘度のエポキシ樹脂を充填して音を消したと言う事でした。


今回は木の柱が縦に割れているという状況ですから、その割れた箇所に樹脂を充填するという簡単な工事

になりますが、それには事前に確認することが色々とあります。


仮止めシール材を剥がした後に表面にシミを残さないかと言う事、そしてエポキシ樹脂は木質の材料でも

確実に接着するのか、更には構造で重要な部分も注入だけで良いのか、ボルト等で固定するような必要は

ないのか等々


写真は柱を想定したものを作りその状況を調べています


一成分型の仮止めシール材は木に対しては全くシミは残りません

何故ブリードしないのか今は解りませんが兎に角汚れません

次にエポキシ樹脂と木の接着力ですが、5日後に引き剥がしたのですがいわゆる木の材料破壊となりまし

たエポキシ樹脂の凝集破壊はありません。


接着は良好という事です


つまり木と接着した界面からは剥がれることはありませんでした

割れた柱にエポキシ樹脂を注入してしまうと無垢の木の柱と同じ状態になるという事です

補強とはなりませんが、ひび割れる前の無垢の柱と同じように元通りになるということで間違いはないよ

うです。

補強と言う言い方は今までより、より強くなると言う意味ですが、これについては色々な試験が必要です

常識的には柔らかい木の真ん中に引っ張りと圧縮の力が数倍の性能を持つエポキシ樹脂を挟み込む訳です

から曲げについても圧縮についても更には引っ張りについてもその数値は木だけよりも遥かに強くなると

思うのですが・・・・・。

データーはありませんから推定ではと言う事になります。

曲げの応力についてはエポキシ樹脂は殆どありませんから無垢の木の柱のほうが長期の曲げには強いかも

しれませんね。


二枚目の写真は高粘度型の樹脂が流下しないでそのまま留まっている状態です


柱の裏側の見えないところはこんな形で納まると理想的なのです




こんな、誰もあまりやったことがない仕事に対しては、私の血が異常に騒ぐのでっす・・・。


そうです・・新しく経験することはお金に換えがたいものなのです



だからと言って無償では・・・・・・いやです。