低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

剥離シール材が剥がれない

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この暑さのせいで剥離性と謳っているシール材が剥がれなくなっています


ひび割れの中に接着剤を注入するためにはひび割れから注入した樹脂が漏れないようにまわりとかひび割

れ表面をシールしておく必要があります


各メーカーでは30年ほど前からこのシール材に工夫をして注入した数日後には簡単に剥がれて撤去できる

ようにと造っています。


簡単に言えばウレタンとか変性シリコーンなどのシーリング材から接着付与剤等を抜いて更にワックス等

を混合してある程度の接着力を持たせて強く引きはがすと取れるような設計となっています。


本来ならば殆どの下地には剥がれるような事になっているのですが珠にフッ素系の仕上げ材などには剥が

れないというような事も例外的にはありますがコンクリート粗面などには剥がれないという事は無いはず

なのですが、この常識もこの暑さでは崩れているようです。


ウレタン系も変性シリコーン系も一成分型の場合は空気中の酸素、湿気等で時間とともに硬化するのです

がこの硬化途中に急激に温度を上げるとその分子のバランスが崩れてしまうのだと思います


今回の私の実験では普及している市販の剥離シール材の一成分型(カートリッジタイプ)を使っています

コンクリートにそのままシールしてすぐに炎天下に置いて2日間放置したものと当店で開発している剥離

剤を塗布したものとでその差を調べています


写真の①と③は配合の違う剥離剤を塗布しています

②はなんにも処理はありません、現場で施工する通りに取り付けています


結果は写真の通りですが塗布した個所は問題なく簡単に剥がれていますが、何にも処理をしない②は全く

剥離しません。



もしもこんな風に剥がれない現場だったらどう処理をするのでしょう

吹き付けタイルなどの場合はまたコンクリート粗面が現わしの建物は・・・削り取るしかありませんね


吹き付けタイルは再度吹き付けて手直しが必要です


全国で使用している現場ではどうしているのでしょう


前にも報告しましたが、この仕事をしている職人さんは殆ど素人に近い兼業の方なのでこれがクレーム

とは思わないのでは。

注入とはこんなものかと・・・元請に剥離は削り取るしか方法は無いと言って終わっているのかも知れま

せん


普段使用している事と違うような事ならば、何故この商品はそうなるのかとメーカーに苦情を言いま

すが、そもそも施工する方達は殆ど経験が少ないものだから、そんなものなのかと思っているのかも知れ

ません。


メーカーに剥がれないとの苦情は殆どないそうですから


フロッグのグループの方達は殆ど専業に近いですから昔から夏場には2成分型を使うとかこの剥離性の溶

液を使うようにしているのですが、全国のひび割れ注入をしている方達はどんなふうにこの暑さに対応し

ているのでしょうか


こんなことは一体誰が損をするのでしょうか・・・わかりません